この業界で仕事をして早10年。これまで素材メーカー、自動車メーカー、保険業、総合商社、製薬業など、数々のお客様と仕事をしてきました。1つの業界に固定されることなく、多種多様な業界のお客様とお仕事ができるのはこの仕事の魅力の1つだと私は思います。
しかしながら、初めて担当することになる業界のお客様の場合、それなりに緊張もあります。
というのも、その道30年、40年と従事されていらっしゃる経営層の面々や、現場の業務に精通されていらっしゃる中間管理職の方々と膝を付け合わせ討議をする際に、我々はあくまでもその業界のプロということで呼ばれています。
初めての業界で畑違いなので、よく分からないんです。。なんていう言い訳は当然通用しないのです。
そこで初めて担当することになる業界の場合には、事前の準備が非常に重要になります。
これを怠ると初回の打合せ以降、二度と呼んでもらえなくなることもあり得ますので、心しておきましょう。
では、具体的にどのようにして、我々プロフェッショナルファームのコンサルタントが業界知識を身につけているのか、ここでは紹介していきたいと思います。
決算資料はその会社が外部向けに公開しており、かつ会社の重要情報が詰まっている宝庫です。
アサインされたお客様の会社の経営状況を正しく理解していなければ、正しい解決策を提示することなど出来るはずがありません。
私がもし事業会社側の立場であった場合に、自社の決算資料を読んでいないコンサルタントとはお付き合いをしたくないと思います。それくらい読んでいて当然の資料になると考えていてください。
これらの資料を読んでいく中で、中期経営計画、財務状況、事業構造(商流など)は確実に抑えておきましょう。
2)関連書籍を購入し、読み漁る
Amazonでレビュー評価が良さそうなものを購入するのもありですが、それよりも一番良いのはプロジェクト上司や、その業界で長くクライアントと接している方に、どのような書籍を読むべきか聞いてみることです。ピックアップする書籍をミスと、せっかく投資した時間が無駄になってしまいかねないので、私はかならずその道に詳しい同僚に確認するようにしています。
3)お客様以外で該当業界に従事する知り合いと過ごす時間を増やす
こちらはどれくらい知り合いがいるかということに掛かってくるので、難易度は高いのですが、活用できると非常に有効な手段になり得ます。
詳しそうな知り合いを見つけて徹底的に質問をぶつけます。それでも足りない場合定期的にランチや遊びの予定を組み入れるようにして、知識だけでなく、その業界の人特有の思考の癖などを吸収するようにしています。
私は大学時代の仲間や、該当業界を担当している同僚のコンサルタントにコンタクトを取って話を聞かせてもらうことが多いです。
例えば、自動車、総合商社の人は商流がどうなっているのかを起点に、思考を展開する癖がある等、実際に話していると気が付く点があります。それが分かれば、お客様と話すことを想定した場合に、このポイントは確実に抑えておかないと議論がかみ合わなくなってしまうなとか、きっとこういう点について気にされるだろうから事前にリサーチしておこう、といったことが不思議なことに自然と予測できるようになっていくのです。
■まとめ
・決算資料の読み込みは必須。
・クライアント業界の関連書籍は最低でも1、2冊は読んでからプロジェクトに行く
・知り合いを頼って業界知識だけでなく、慣習や思考の癖を吸収する
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